Vol.007
「焦土に咲いたカンナの花」
 
 本格的な夏となりました。災害級と言われる毎日の暑さ。そして大雨、台風…年々自然の厳しさが増してきているように感じます。8月6日は広島に原爆が投下された日。戦争を体験した世代が少なくなって実体験を語り継ぐことができなくなっていく中で、広島平和記念館など戦争の悲惨さを伝える施設の重要さを感じずにはいられません。
 広島平和記念資料館の最後の方の展示に[焦土に咲いたカンナの花]のパネル展示があります。そこには、[その秋「75年間は草木も生えない」と言われた広島で新しい芽が息吹ました。焼け跡によみがえった緑に人々は、生きる勇気と希望をとりもどしました。]とあります。
 植物も育たない地に人間が生きていけるのかと、当時のその地で生きていかざるをえなかった人々の落胆は、想像がつきません。植物を扱う者として、感慨深い展示です。植物が人に生きる勇気と希望を与える事が出来るのだと思いました。
 いつの日か、その様に感じていただける庭を創造したいと思い、日々精進しています。
 
※写真はカンナの花:
カンナ(Canna)は、カンナ科カンナ属(Canna)の植物の一群。多様な種類、園芸品種がある。
春に球根を植えると、夏から秋にかけて独特の形をした花を咲かせる。葉は、緑色のものと赤銅色のものがある。球根で殖やすが、暖かい地方では掘りあげる必要が無く、宿根草として扱うことができる。
 
 
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