Vol.004
「人格以上の庭は創れない。」

 
  
いつも心に想うことがあります。「どうすれば、何を鍛錬すれば、良い庭が創造できるのか?」 「竹垣が上手く作れたから、石が美しく据えれたから良い庭ができたのか?」
いや、決してそのような事で、良い庭が創造できるわけではないと思います。

いつ、目にしたか、耳にしたか、わかりませんが、脳裏にこびりついて離れない言葉があります。
「人格以上の庭は創れない。」
人は想いの数
パーセントしか言葉にできないように思います。
依頼主が語るその言葉を拾い、その想いを知り、さらに深く、その人の人生を想うことができたなら、理想の庭を創造することに近付けるのではないでしょう
か。それは、その人と同じ位置に自分を立たせることから始まると思うのです。そのためには人格を磨き、自分自身を高める必要があるとも。
果して「人格以上の庭は創れない。」という言葉の意味がこういうことなのか、それとももっと違った意味があるのか、私にはまだはっきりとは分かりません。
ただ、いままでの仕事を通じて感じたこと、分かったこと…


庭に関係なく、周囲の人、身近な人に、もっともっと思いやりを持つこと、他人の幸せをを考えられる人になる事、そういった人として幸せに暮らすためのごくあたりまえの事を大切にしなくてはならないと思うのです。それがより良いモノ創りへと繋がっていくのではないかと。
庭師として良い庭を創造しようとする。邪念を捨て、目の前の人、社会、世の中のために、
自分が出来る事をする。それ以上でも、それ以下でもない。

今、自分にできることを精一杯。

 
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